「壁紙を張り替えて、ついでにキッチンも入れ替えたいが許可が出なかった」
「管理組合への申請で止まってしまった」
「床を開けたら配管が動かせず、間取りを作り直すことになった」
マンションでは、こうした引き返しが珍しくありません。
戸建てと違い、手を入れていい範囲があらかじめ決まっているからです。
この記事では、着工前に確かめておきたいことを、確認する順番に沿ってまとめました。
- 自由に工事できる専有部分と、手を触れられない共用部分の境界
- 水回り・床・間取り・収納で、マンションならではの判断が要るところ
- 構造・電気容量・床下の高さなど、見積もり前に確かめたい条件
- 築10年・20年・30年で変わる、先に手を付けるべき工事
- 管理組合への申請や近隣挨拶を含む、着工までの段取り
専有部分と共用部分、境界線はどこにあるか
マンションは区分所有法と管理規約で、手を加えられる範囲が決まっています。取り違えたまま進めると、工事が始まってから管理組合に止められてしまいます。
自由に手を入れられるのが専有部分です。
住戸の内側の壁紙、床材、キッチンや浴室などの設備、構造に関わらない間仕切り壁などがこれにあたります。逆に触れないのが共用部分で、躯体、玄関ドアの外側、窓サッシ、バルコニー、パイプスペースなどが含まれます。
判断が難しいのは、その境界にあたる部分です。
玄関ドアは内側の塗装はできても、外側の色は変えられません。内窓を足すのは専有部分の工事にあたりますが、サッシそのものの交換はできません。配管も、住戸内の枝管は替えられるものの、縦管には触れられません。こうした制限がついてまわります。
床下や天井裏についても、規約で断熱材や遮音材の仕様が指定されていることがあります。管理規約の別表と図面を突き合わせ、どこまでが自分の持ち物かを先に確かめておくと、その後の打ち合わせが早く進みます。
【箇所別】マンションの内装リフォームで判断が要るところ
水回り
リビングとつながるペニンシュラ型やアイランド型のキッチンは希望の多いところです。ただ、マンションは換気ダクトと排水管の位置が決まっているため、大きくは動かせません。現地調査で配管を見てもらってから間取りを決めると、手戻りが減ります。
浴室は1418や1216といった既存サイズを保ったまま、断熱性の高い浴槽や乾きやすい床材に替えるのが現実的です。タイル張りからユニットバスへ入れ替える場合は、工事の範囲が広がるので複数社の見積もりを見比べましょう。
床材と遮音
多くの管理規約で、L-45やL-40の遮音等級を満たす床材が指定されています。二重床にして遮音性を確保したうえで、無垢材やフロアタイルを使う例も増えました。
複合フローリングは安く工期も短い、無垢材は質感がある代わりに高い、石目調のフロアタイルは水に強い。材によって性格が違うので、部屋の使い方で選び分けましょう。
間取りと収納
個室を減らしてリビングを広げる、3LDKを広い2LDKにするなど、家族構成が変われば間取りの変更も選択肢に入ります。仕事場を作るなら、完全な個室にせず室内窓や格子で仕切ると明るさを保てます。
収納は置き家具より壁面の造作のほうが、地震のときに安全で見た目も収まります。なかでも玄関のシューズインクローゼットは、後から作ってよかったと言われることの多い工事です。
建物の構造とインフラが計画を左右する
間仕切り壁を抜けるかどうかは建物の構造で決まります。
柱と梁で支えるラーメン構造なら、住戸内の壁は比較的自由に撤去できます。一方、壁そのもので支える壁式構造では耐力壁を抜けません。設計図を管理組合から借りて、どの壁が構造に関わるのかを先に確かめましょう。
インフラの容量も制約になります。
住戸ごとの電気容量には上限があり、IHと複数のエアコンを同時に使えないことがあります。給湯器も、ガス管の太さで設置できる号数に限りがあります。オール電化を考えるなら、まず管理組合に確認するところからです。
水回りを動かせるかは床下の高さ次第です。
排水には勾配が必要なので、床下が浅いとキッチンやトイレを遠くへは移せません。無理に動かせば床を一段上げることになり、そこに段差が生まれます。
管理規約で決まっていること
規約には、工事の3週間前までに申請書類を出して理事会の承認を得ること、工事は平日の9時から17時までといった条件が書かれています。内容は物件ごとに違うので、必ず自分の物件の規約を読んでください。
特に厳しいのが遮音等級です。証明書がないと許可の下りない物件もあります。証明のない床材を使えば、工事後に下の階から苦情が入り、張り直しになることもあります。床材を選ぶ段階で規約の要件を確かめておきましょう。
作業できる時間帯が限られる分、工期は延びがちです。判断に迷うところは、管理会社や理事会に早めに相談すると話が進みます。こうした制約に慣れた施工会社を選ぶことも、遠回りを避ける手のひとつです。
築年数別、先に手を付けるべき工事
築10年前後|傷みが表に出てくる頃
汚れや傷が目につき始める時期です。壁紙の張り替え、コンロやレンジフードの交換、浴室のコーキング打ち替え、洗面台の蛇口交換あたりが中心になります。どれも住みながら工事でき、仮住まいも要りません。給湯器は13年ほどで故障が増えるので、この時期から交換時期を意識しておきましょう。
築20年前後|設備がまとめて寿命を迎える
キッチン、ユニットバス、洗面化粧台、トイレの水回り4点が耐用年数に入ります。給湯器も、止まる前に替えたい時期です。フローリングの傷みや建具の不具合も出るので、壁紙の張り替えとまとめて考えると効率がよくなります。費用がまとまる分、相見積もりと仮住まいの手配も早めに動きましょう。
築30年以上|見えない部分が問題になる
設備だけでなく、床下の給排水管のサビや漏水が心配になる時期です。内装を一度解体してスケルトンにし、配管からやり直すのが確実です。壁の中の配線も傷んでいるため、電気工事もまとめて行いましょう。断熱材の追加や内窓の設置を合わせると、住み心地が変わります。工期は1〜3か月ほどで、仮住まいが必要になります。解体後に予想外の傷みが見つかることもあるので、予算には余裕をもたせておきましょう。
予算にメリハリをつける5つの考え方
- 優先順位を決める。譲れないところと妥協できるところを、家族で先に分けておきます。
- 既存の枠組みを活かす。水回りの位置を変えない、キッチンを動かさない。それだけで数十万円変わることがあります。
- 補助金を調べる。子育てエコホーム支援事業や先進的窓リノベ事業など、断熱改修や節水型トイレが対象になる制度があります。着工前の申請が条件のものが多いので、計画段階で確認しましょう。
- グレードに差をつける。ワークトップは石材にしても、キャビネットの中は標準仕様で構いません。目に入る部分にお金を回すほうが、住んでからの満足感は高くなります。
- ショールームで実物を見る。カタログのサンプルと実際の空間では色の見え方が違います。キッチンの高さや通路の幅は、実際に体感して確認したほうが安心できます。
相談から引き渡しまでの流れ
まず要望を整理し、複数の会社に現地調査を頼みます。
管理規約の写しを渡しておくと、制限を踏まえた提案が返ってきます。プランが決まったら管理組合への申請です。承認に1か月かかる物件もあるため、着工日から逆算して動きましょう。申請には工事内容の図面と、施工会社の実績資料が要ります。
着工の1週間から10日前には、近隣への挨拶を済ませておきます。音は思わぬ方向に伝わるので、上下左右だけでなく斜め向かいまで、工期と連絡先を伝えておきましょう。
工事そのものの期間は、壁紙の張り替えで1〜3日、水回りの交換で1〜2週間、フルリフォームで1〜3か月が目安です。引き渡しでは、壁紙の継ぎ目や床の段差、設備の動作を一緒に確認します。相談から引き渡しまでを通した期間は、小規模で1か月、大規模なら3か月から半年をみておくと計画が立てやすくなります。
兵庫県・神戸市で内装リフォームの材料と施工を相談するなら
株式会社毛利商会は、神戸市長田区で1953年(昭和28年)から木材と住宅建材を扱ってきた会社です。フローリング、建具、サッシ、住宅設備機器までを在庫し、内装工事やLGS軽天工事、サウナ施工まで自社で対応しています。
マンションの工事では、遮音等級を満たす床材を選んだり、管理規約に合わせて材料を差し替えたりする場面が出てきます。材料を扱う立場から、在庫と納期を踏まえた代替案を出せます。調達から施工までを一社にまとめれば、工程と費用の管理もわかりやすくなります。配送は神戸市内を中心に、兵庫県全域から近畿一円まで伺います。マンションの内装や造作の相談もいただけます。
まとめ
マンションの内装リフォームは、次の三つを先に確かめてから組み立てる工事です。
- 専有部分と共用部分の線引き
- 建物の構造の確認
- 管理規約の確認
ここを押さえておけば、着工してから計画を作り直す事態は防げます。築年数に応じて手を付ける順番を決め、予算にメリハリをつければ、限られた条件でも住み心地は大きく変わります。




