木造住宅の図面を見ていると、在来工法という言葉が当たり前のように出てきます。名前は知っていても、ツーバイフォーと何がどう違うのか、材料を手配する側から見て何が変わるのかまで説明できる人は、そう多くありません。
工法が決まった時点で、現場に入る材料の種類も量もほとんど決まります。柱の本数、梁の断面、羽柄材の量、合板の枚数。ここを曖昧にしたまま発注すると、寸法違いや納期のずれとして後から出てきます。在来工法の中身を、構造と材料の両面から整理します。
在来工法は、柱と梁で建物を支える工法
在来工法は、木造軸組工法とも呼ばれます。基礎の上に土台を敷き、柱を立て、梁や桁を渡して骨組みをつくる。そのあとに床や壁、屋根を張っていきます。日本の伝統的な木造建築を、現代の施工に合わせて整理し直したものが、いまの在来工法です。
新築の木造住宅では、この工法がいまも主流です。統計でも7割を超え、ツーバイフォー工法や木質プレハブ工法を大きく上回ります。地域の工務店から大手ハウスメーカーまで幅広く対応できるのは、長く標準として使われてきた蓄積があるからです。
骨組みは、点と線でできている
在来工法では、柱が上からの荷重を受け、梁と桁が屋根や床の重さを柱に伝えます。力を受け持つのは柱、梁、筋交い、耐力壁で、それ以外の壁は必ずしも構造を担いません。壁を抜いて開口を大きく取れるのは、この仕組みがあるからです。
逆に言えば、どの柱を抜いてよくてどれが抜けないのかは、図面を見ないと判断できません。リフォームの現場で解体してから話が止まるのは、たいていここです。
主な部材と、受け持つ役割
| 部材 | 受け持つ役割 |
|---|---|
| 土台 | 基礎と建物のあいだに入り、柱から降りてきた荷重を基礎へ渡す。湿気を受けやすいため、ヒノキや防腐処理材が選ばれる。 |
| 柱 | 垂直方向の荷重を受ける。1階から2階まで一本で通す通し柱と、階ごとに区切る管柱がある。 |
| 梁・桁 | 床や屋根の荷重を水平に受け、柱へ伝える。柱と柱の距離が飛ぶほど断面が大きくなる。 |
| 筋交い | 柱と柱のあいだに斜めに入れ、地震や風による横からの力に抵抗する。 |
| 火打ち | 床組や小屋組の隅に斜めに入れ、水平面のゆがみを抑える。 |
| 垂木・母屋 | 屋根面を構成し、屋根材の重さや積雪、風の力を小屋組へ伝える。 |
ツーバイフォー工法と、どこが違うのか
支えているのが線か、面か
ツーバイフォー工法は、規格化された断面の製材で枠を組み、構造用合板を張ってパネルにします。そのパネル自体が構造体になり、床と壁と屋根の面全体で力を受け止めます。柱と梁という線で支える在来工法とは、考え方が根本から違います。
開口部と間取りの自由度に差が出る
面で支える工法では、壁を抜くと構造が成立しません。窓の大きさや位置に制約が出て、あとから間取りを変えるのも簡単ではありません。在来工法は柱の位置さえ守れば壁の扱いに幅があるため、大きな開口や吹き抜けを取りやすくなります。
工期と品質のばらつき
ツーバイフォー工法は部材も手順も規格化されているため、工期が読みやすく、施工者による差も出にくい。在来工法は現場で判断する納まりが多く、そのぶん工期が延びやすく、仕上がりに技量が出ます。長所と短所が裏表になっている部分です。
| 項目 | 在来工法 | ツーバイフォー工法 |
|---|---|---|
| 支える仕組み | 柱と梁による軸組 | 枠組と面材によるパネル |
| 間取りの自由度 | 高い | 制約がある |
| 開口部 | 大きく取りやすい | 大きさと位置に制限が出る |
| 横からの力 | 筋交いと耐力壁の設計で確保する | 面で受けるため元々強い |
| 工期 | 現場作業が多く長くなりやすい | 規格化されており読みやすい |
| 将来の増改築 | 対応しやすい | 壁の変更が難しい |
| 対応できる業者 | 全国に多い | 在来工法より限られる |
それでも在来工法が選ばれ続ける理由
敷地の条件に合わせ込める
都市部の住宅では、間口が狭い、変形地、隣地との離れが取れないといった条件がついて回ります。神戸市のように坂と造成地が多いエリアでは、なおさらです。柱の位置を調整しながら形をつくれる在来工法は、こうした敷地に合わせやすい工法です。
あとから手を入れられる
間取りの変更、増築、開口の追加。在来工法は構造の考え方が読みやすいため、将来の改修計画が立てやすくなります。既存住宅に手を入れる工事が増えているいま、この点は以前より重く見られています。
頼める相手が多い
施工できる大工も、材料を扱う業者も、在来工法を前提にしています。特殊な部材の入荷を待つ必要がなく、追加や差し替えが効くのは実務では大きい。工程が動いたときに調整できる余地が残ります。
弱点は分かっているので、備え方も決まっている
横からの力への備えが設計次第になる
柱と梁だけでは横からの力に弱いため、筋交いや耐力壁をどこにどれだけ入れるかで強さが決まります。量が足りていても配置が偏れば、建物にねじれが出ます。これは図面の段階で決着する話で、現場では取り返せません。
施工品質の差が出やすい
継手や仕口の精度、金物の締め付け、筋交いの取り付け方。ひとつずつは小さくても、積み重なると建物の性能に効いてきます。プレカットの普及で加工精度は安定しましたが、組み上げの部分には人の手が残ります。
材料の質がそのまま出る
乾燥が甘い構造材を使えば、施工後に反りや割れが出ます。造作材の含水率が高ければ、隙間や建具の動きとして現れる。在来工法は材の一本一本が構造に関わるため、材料の質が結果に直結します。
材料の選び方で、仕上がりは変わる
構造材はまず乾燥状態を確認する
構造材には含水率20%以下という基準があり、JAS規格の表示があるものなら状態を確認できます。人工乾燥材かどうか、いつ乾燥したものか。ここを聞かずに数量だけで発注すると、現場に材が入ってから判断することになります。
羽柄材は寸法の精度が効いてくる
間柱、胴縁、根太、垂木といった羽柄材は本数が多く、寸法のばらつきがそのまま手間になります。数ミリの違いでも、面を出すために削る作業が増える。造作材はさらにシビアで、仕上がりに直結します。
手配先が分かれると、管理が重くなる
構造材は別の会社、合板はまた別、建材はさらに別。よくある形ですが、納期も窓口も分かれるため、遅れが出たときに調整する先が増えます。工程が詰まっている現場ほど、この負担は無視できません。
兵庫県・神戸市で在来工法の材料を手配するなら
株式会社毛利商会は、昭和28年から神戸市で木材と建材を扱ってきました。構造材、羽柄材、合板、集成材から、フローリングや建具といった住宅建材、住宅設備機器まで在庫を持っています。在来工法の現場で必要になる材料を、一つの窓口でまとめられます。
乾燥材の在庫と、寸法への対応
多種多様な乾燥材を在庫しており、在庫材を加工して届けることもできます。プレナー、超仕上、溝突き、斜めカットまで自社で対応するため、特寸や少量の依頼にも動けます。寸法や納まりで迷ったときは、その段階から相談いただけます。
材料から施工まで一貫して任せられる
木材と建材の販売にとどまらず、LGS軽天工事、内装工事、サウナ施工、リフォーム工事まで手がけています。材料の手配と工事の窓口が一本化されると、工程とコストの管理はそのぶん軽くなります。
神戸市内から近畿一円へ配送
神戸市長田区を拠点に、神戸市内・兵庫県全域・近畿一円へ配送します。追加が出たときにすぐ動ける距離にいるかどうかは、工程を守るうえで効いてきます。




