掘った土は、そのままでは立っていられません。浅いうちは壁面が保っていても、深くなるほど自分の重さで内側に崩れてきます。これを止めるのが土留めです。
土留めと聞くと、鋼矢板やH形鋼を思い浮かべる方が多いはずです。ただ、造成や治山、林道、河川といった小規模な工事では、いまも木材が使われています。安いからという理由だけではありません。木材が選ばれる場面と、現場で実際に使われる木材の種類を整理します。
土留めは、土が動くのを止めるための仮設
なぜ必要になるのか
地山を掘ると、掘削面の土は自分の重さで内側に押し出そうとします。地下水があれば水圧も加わります。掘削面が崩れれば、中で作業している人に直接危険が及びます。周囲の地盤が沈み、隣接する道路や構造物に影響が出ることもあります。
土留めは、この土圧を受け止めて掘削面を保つための仮設構造物です。完成後に残らないことも多いのですが、工事中の安全はここで決まります。
どのくらいの深さから必要になるのか
国土交通省の建設工事公衆災害防止対策要綱(土木工事編)では、掘削の深さが1.5mを超える場合、原則として土留工を施すこととされています。
労働安全衛生規則では、掘削面の高さが2m以上となる地山の掘削作業について、地山の掘削作業主任者を選任することが定められています。あわせて、地山の崩壊や土石の落下で労働者に危険が及ぶおそれがあるときは、あらかじめ土止め支保工を設ける、防護網を張る、立入りを禁止するといった措置を講じることとされています。
数値はあくまで目安です。地質や地下水、周囲の状況によって判断は変わります。砂質の地山や湧水のある現場では、浅くても土留めが要ります。
土留めの主な工法
| 工法 | 特徴 | 向いている条件 |
|---|---|---|
| 親杭横矢板 | H形鋼を打ち込み、間に横矢板を差し込む。施工が比較的簡単で費用を抑えやすい。止水性はない。 | 地下水位が低く、止水を求められない現場 |
| 鋼矢板 | 継手のある鋼板を連続して打ち込む。止水性がある一方、たわみによる変形は出やすい。 | 地下水位が高い現場。騒音と振動への配慮が要る |
| 鋼管矢板 | 剛性が高く変形が小さい。引き抜きが難しく残置されることが多い。 | 大規模な掘削、周辺への影響を抑えたい現場 |
| 木矢板 | 木杭と木の矢板を組み合わせる。費用が安く、施工も撤去も軽い。止水性と強度は劣る。 | 小規模で浅い掘削、仮設期間が短い現場 |
| 地中連続壁 | 現場打ちコンクリートで壁をつくる。剛性と止水性が高い。 | 大深度の掘削、都市部の大規模工事 |
木矢板は止水性がなく、強度も鋼材にはかないません。軟弱地盤や深い掘削には向きません。それでも残っているのは、小規模で浅い掘削なら十分に機能し、施工も撤去も軽いからです。造成や治山、林道の工事で、一定期間が過ぎれば草木が覆って地盤が安定していくような場所では、木の土留めが理にかなっています。
土木の現場で使われる木材
木杭・丸太杭
土留めの支柱として地面に打ち込む杭です。松、杉、桧が使われ、耐久性の面では松が優れています。ただ松材は入手しにくくなっており、杉や桧に保存処理を施したもので代用される場合もあります。
寸法は末口径で表され、9cmから12cm程度の小口径が土留めや河川の工事でよく使われます。長さは1mから4m程度まで。径と長さで打ち込める深さと支持力が変わるため、地質と掘削深さから決めます。測量用の木杭や地盤補強の丸太杭も、同じ系統の材料です。
木矢板(土留め板)
木杭のあいだに渡して、土砂を直接受け止める板です。杉、桧、松が使われ、長さと厚さは掘削の条件に合わせます。板を差し込みながら掘り下げていくため、掘削の進み方と板の手配は連動します。
松の矢板と松の杭を組み合わせるのが耐久性では理想とされますが、入手性の問題から、杉や桧の保存処理材で代用する現場も増えています。
桟木
断面の小さい角材です。土留めそのものではなく、現場のあちこちを支えています。型枠では27×60mm、27×50mm、24×48mmといった断面がよく使われ、関西では30×60mm、関東では30×50mmが標準として流通しています。
型枠工事では、パネルの裏に打って面のたわみを抑えます。資材の下に敷く敷桟としては、不陸を調整して荷を安定させます。製材した木材を桟積みして乾燥させるとき、材と材のあいだに挟むのも桟木です。地味な材料ですが、これが足りないと現場が止まります。
木材を手配するときに確認しておくこと
防腐処理の有無
地面に接する材は、そこから傷みます。短期間の仮設なら無処理でも通りますが、数か月から年単位で残す場合は保存処理材を選びます。加圧注入処理をした材なら、屋外で持つ期間が変わります。
撤去するのか、残置するのか
鋼矢板は引き抜いて再利用しますが、木杭や木矢板は残置される場合があります。残すなら腐朽の進み方を見込む必要があり、抜くなら抜きやすさも条件に入ります。ここが決まっていないと、樹種と処理の選択が定まりません。
寸法と数量を先に固める
土木用の木材は、規格品と特寸で納期が変わります。標準的な寸法なら在庫から出せますが、長尺や特殊な厚みは製材から入ることもあります。掘削の工程が決まった段階で、寸法と数量、必要な時期を伝えておくと調整が効きます。
兵庫県・神戸市で土木用の木材を探すなら
株式会社毛利商会は、昭和28年から神戸市で木材と合板を扱ってきました。住宅建材が中心ですが、木材全般と合板全般を取り扱い、自社で製材と木材加工まで行っています。
寸法を指定した加工に対応
プレナー、超仕上、溝突き、斜めカットまで自社設備で対応します。在庫材を指定の寸法に加工して納めることもできるため、規格品にない寸法が必要な場面でも相談いただけます。用途と数量、必要な時期を伝えていただければ、手配できる形を一緒に考えます。
屋外で使う木材も扱う
ウリン、ジャラ、イペ、レッドウッドといった耐水性の高い木材も取り扱っています。屋外で長く使う部分に何を選ぶか、迷ったときの相談先としても使えます。
神戸市内から近畿一円へ配送
神戸市長田区を拠点に、神戸市内・兵庫県全域・近畿一円へ配送します。大型トラックでの現場直送にも対応するため、まとまった数量でも動けます。
まとめ
土留めは、掘削の安全を支える仮設です。深さや地質、地下水の有無で工法が変わり、小規模で浅い掘削なら木杭と木矢板の組み合わせがいまも有効です。桟木のような小さな材も、型枠や荷の受けとして現場を支えています。
木材を使うなら、樹種と防腐処理、そして寸法をどう決めるかが判断の中心になります。兵庫県・神戸市で材料の手配先を探しているなら、製材と加工を自社で持つ毛利商会にご相談いただけます。




